オーナーです。今回のテーマはビッグマック指数ですが、その前にお知らせです。永らく続けさせて頂いたけんま君の牧場日記は12月27日の更新をもって最終回とさせて頂きます。拙いブログでしたが、これまでお読み頂いた皆様に感謝申し上げます。
さて本題です。岸田総理が総裁選で令和版所得倍増計画などと言い出したのでマスコミの格好のネタになって、日本人の所得が世界各国と比べてどうだこうだと云う話で賑わっています。(もっとも当の岸田総理は「所得倍増」はリップサービスが過ぎると思ったようで「新しい資本主義」と云う曖昧模糊とした言葉に換えてしまいましたが)ここでは各国の個人所得を比較する為にマスコミが使っていたビッグマック指数について書きたいと思います。
ビッグマック指数とは世界中にフランチャイズを展開するマグドナルドのビッグマックが幾らで売られているかを比較する物です。メーカーは市場調査をして適正価格を弾くだろうから、所得が高い国であれば高く、低い国なら低く設定されているはずだとの考えに基づいての物(購買力平価)です。それによると
1位 ベネズエラ 918円
2位 スイス 774円
3位 ノルウェー 693円
・・・
23位 タイ 429円
・・・
31位 日本 390円
つまり日本人は所得が低いのでこれぐらいでないとビッグマックが買えない、日本はいつの間にかこんな地位なのだとワイドショーで言ってました。
この話、皆さんどう思いますか?
「アホな事言うなよ!」TVに向かって僕は叫びましたね。
この話が成立する為には幾つもの前提条件が必要です。
1. 市場におけるビッグマックと云う商品の位置づけが同じである事
つまり日常的に食べられているのか贅沢品なのかで価格設定は変わります。
2. 原価が同じである事
材料原価、販売手数料、水道光熱費などの違いがあります。
経費が高くても販売数が多ければ1個当たりの原価は下がります。
逆に販売数が小さければ高く売らないと経費回収が出来ません。
3. 競合他社
市場で競合する相手が居れば当然価格は抑えられます。
日本は競合メーカーが何社も居てタフな市場です。
簡単に考えてもこれぐらいの事が浮かぶわけで、そんな話抜きによくこんな事を堂々と取り上げるなと思います。まぁ見る人が見れば一笑に付すのでしょうが、中には本気で捉える人も居るので恐いですね。ちなみにビッグマック指数を最初に発表したイギリスのEconomist紙は一種のジョークで発表したのに、まともに取り上げるマスコミが居て驚いているらしいです(笑笑)
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